文科省大学院教育改革支援プログラム
実践的テクノロジスト育成プログラム

危機・限界体験実験プログラム    プログラムの様子はこちらをご覧ください

大学院産学連携科目「危機・限界体験特別実験」について

 
  • 2024年度、受講のためのガイダンスを4/15(月)16:15から行います。(Zoom:ミーティングID: 917 028 8956, パスコード: ilsuec1980)。
    受けられなかった方は、ここから資料をダウンロードして確認しておいてください。質問はメールでどうぞ、今年度から新しく受講を希望する方は、履修登録をwebからしてください。ここから登録できます。

  • この教科は、本学のすべての専攻、コースから受講することが可能です。
    10種類の人体への危機を感じる実験(模擬)や装置などの限界を超えた実験を行います。それに付随する内部機構、エラーに対する講義、社会での事例や安全教育からなります。
  • この科目は個々の実験の受講が異なる定員数を持って行われています。そのため、必ずしも履修者全員が毎回実験が受けられるわけではありません。
  • その他履修関係の詳細でわからない点は米田まで電子メールで聞いてください。

    履修登録その他の連絡について

    2024年度からの新しく履修する人は、ここから登録が必要です。

    このプログラムの主旨

    最先端の研究で用いるハードウェアは、完成された製品・実験道具、ユーザーの操作に対してもfail safeまでつけられたブラックボックス的な装置が多くなってきました。 特に、事故を防ぐために、様々な安全性が検討され、事故に限りなく遭遇できない学生が技術者、研究者として、大学から一般社会に巣立って行くようになっています。 もちろん、事故はあってはならないものであり、無事故で全てを過ごせればそれに超したことはありません。しかし、高度なテクノロジストを育成する理工系の大学・大学院における教育では、 “危ないこと”や“限界点”を教えることも重要な要素であるべきと考えています。どこまでが安全で、どこからが危険か?また事故につながる予兆がどこに現れるかといったことを、 テキストや講義のみを通じて学生に実感として認識させることが困難なことも明らかです。身を以って体験した人間と、話や本から得た“知識”だけの人間とでは、 おのずと危機・限界に対する認識も違ってきます。そこで、この教育プログラムでは、いわゆる「限界」越えを体験さえ、 それを実験的に観測することで、危機を実感させることを目指すものです。

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    2008.12.25ナイスステップな研究者に米田教授が選出されました。
    2008.4.15 2008年第1回試行実験「液体ヘリウムデュアを切る」写真はこちら。



    学生の経験、体験アンケート結果
    *実際の授業の様子はこちら

    *文科省政策研ナイスステップな研究者シンポジウム発表資料
    *電通大における光科学教育(レーザー研究2008年3月)
    *日本物理学会2009年秋の分科会での発表資料
    *応用物理学会第57回関係連合講演会での発表資料
    *シンポジウム 「理科好きの子どもを育てる、伸ばすには 〜家庭・地域・学校間の連携を目指して〜」での発表、デモンストレーション

    このプログラムでは、社会での事故・障害事例をもとにした特別講義も行っています。
    これまでの社会における事故・安全講習講義
    *2009年度 大来先生に鉄道事故を中心に講義をしていただきました。
    *2010年度 和田先生に航空機の安全の考え方について講義をしていただきました。
    *2011年度 電研精機ノイズトラブル相談室の方にノイズセミナーをしていただきました。
    *2012年度 傳田先生に原子力発電所の安全にかかわることについて講義をしていただきました。
    *2013年度 橋新先生に光・レーザーの安全対策・管理について講義をしていただきました。 *2014年度  山田先生先生に地下鉄火災について講義をしていただきました。


    教育プログラムの具体的な状況はこちらをご覧ください。

    本プログラムの教育ツール、プログラムそのものに興味があり、ご自分のところでも体験させたいとお考えの方は、ご連絡ください。機器の貸し出し、学生受け入れを含め対処しています。

     
     

    このプログラムの目的と方向性

    このプログラムでは、これまでの基礎知識としての講義専門研究のための修士論文研究オリジナリティを開発するElementary Teaching Laboratory(ETL)に加え、「危機・限界」を知るための実験プログラムを行なうものです。高度研究者・技術者養成には、専門性の高い知識、研究能力が求められることは言うまでもありませんが、研究開発のリーダーシップをとる人は、使用しているシステム、素子の限界を知り、それがfailした後の事象も予測できなくては、責任ある指示、誘導を行うことができないでしょう。そのためには、危機・限界を数多く経験させて、その現象を物理として理解し、さらに予測できる計測手法、制御系を提案できる能力を養う教育が必要と考えました。

    しかし、このような能力は“うまくいく実験”を繰り返しても得られません。もちろん、従来の修士・博士論文研究においては、個々の研究での失敗体験が教えになることはあったでしょう。しかし、広範囲な分野で“失敗”実験や“危機・限界”を体験できることは不可能でした。材料科学など一部の分野を除き、危機、限界を教育題材とすることも少ないのです。そこで、本プログラムでは、意味ある“失敗”を体験させ、その現象を観測、解析させる教育を行う教育プログラムを構築します。この“危機・限界”の問題は、光科学分野だけではなく他分野でも共通している問題でしょう。そのため、本プログラムがテストケースとして、幅広く発展させることを考えています。

    社会に求められる高度な人材育成: 

    本学が考える社会が求める高度技術者・研究者は、単に、既存分野での知識だけではなく、創造性を持ち、新しい領域での開発研究に挑戦し続けることも必要です。新しい開発研究では、使われている個々の素子の性能限界や、限界に達した後に起きることも知らなければならないでしょう。特に、一般社会では、失敗を極力せず、効率よく目的を達成することが最良とされます。そのため、営利を求めない大学でこそ、この要請にあった教育が可能です。また、大学院生は、学部教育の卒業研究などを通し、研究に参加した経験を持ち、いくつかの限界も目の前にしている場合が多々有ります。“意味のある失敗”を教育する効果はもっとも高い時期であると考えています。

    一方、レーザーは、すでに現代の科学技術の様々な分野に利用されています。ピックアップ用半導体レーザーは年間1人当たり1台以上生産され、光通信においても、情報量の増大、伝達の遠距離化にともない高出力レーザーが使われるようになりました。このような中で、光科学およびレーザー科学を中心とした危機・限界体験教育は、今まさに社会の要請がある部分であり、さらに、危機・限界を体験教育する手法そのものも国内では初めてのものです。その意味で、このプログラムは、社会のニーズに合った人材を育成できると考えています。

    具体的かつ実現性の高いプログラム: 

    このプログラムでは、危機・限界を体験させ、異常な現象の測定と、その後に起きる現象の観測を行う実験、さらに、安全教育、危機・限界機構、危機・限界モニタ計測法の講義をセットとしています。受講する学生の皆さんにとっては、予測不能な破壊、限界での危険を体験・認識する機会を持つことができます。具体的に、現在試行が行なわれているテーマとしては、研究上の構成要素である配管用チューブの過加圧による破裂させる実験、電気回路の基本要素である電解コンデンサに許容電圧の数倍の印加電圧をかけて破壊させる実験、ガラス基板表面への局所的レーザー熱入力により破壊させる実験などがあります。

    また、この実験プログラムと平行して、光科学“ヒヤリ”データベースを構築しています。これにより研究の現場から、新しい課題を引き上げ、つねにリフレッシュした実験題材を行なうことを目指し、新しい問題にも取り組んで行く予定です。
       
         

     

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